2015年02月11日
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその12-モデル編
今日は入試業務が無い手羽です。
ムサビは今日の工芸工業デザイン学科で2015年度造形学部一般入試が終了します。
日芸さんもかな。
タマビは明日が学科試験Bだったり情デ・版画・テキスタイルの実技試験が残ってます。
ま、入試日程が終わりなだけで、うちらの仕事はこれからなんですが・・・。
美大入試アドバイスをお送りしてます。
これまでの話はこちら。
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその1-導入編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその2-交通編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその3-会場編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその4-実技試験編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその5-学科試験編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその6-緊急編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその7-時間つぶし編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその8-道具編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその9-都市伝説編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその10-受験票編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその11-妄想編
昨日のブログ冒頭で、
あることに気が付いてしまってドキドキしてる手羽です。
なんのことかは明日書きます(笑)
と書きましたが、その話を。
ムサビ彫刻学科実技試験の鉛筆デッサンでは、モデルさんを使った「ムービング」という試験を10年前ぐらいからずっとやってまして。
ムービングとは、モデルさんが常に動いてる状態を描くことを言います。
「動いてるモデルさんを描くのは難しい」
と思われがちですが、これは美術教育の負の遺産で。
皆さん、動物は描けますよね?
でもじっとしてないし、動いてるからといって文句言ったりしませんよね?
お母さんや友達の似顔絵を描けますよね?
でも、フリーズ状態になってもらって真正面から描いたわけじゃないっすよね?
既成概念から自分を解放できれば、実は動いてる状態の方が特徴をとらえやすいし、筋肉の動きなどを把握できるし、細かい部分を無視して印象がつかみやすくなるんです。
なので授業でムービングをやってる美大も多いです。
(入試でムービングをやってるのはさすがにムサビの彫刻学科だけだけど)
ここで意外と知らないモデルさん豆知識を。
皆さんがよく知ってる「じっとモデルさんが止まってる」状態(ポーズ)を「固定ポーズ」といいます。
座っていれば「座りポーズ」、モデルさんが立ってるポーズは「立ちポーズ」、寝た状態だと、そのまま「寝ポーズ」と呼びます。
また洋服を着てれば「コスチュームモデル」、下着ぐらいしか着用してない場合は「セミヌード」、裸の場合は「フルヌード」。
頭像を作る時のモデルさんは「頭部モデル」「首モデル」、全身なら「全身モデル」。
なんでそんなに細分化してるかというと、これは簡単、料金の違いです(笑)
首モデルが一番安く、もちろんヌードモデル+立ちポーズが一番高いと。
美大でモデルさんを依頼する時は、通常のモデル事務所ではなく「美術モデル事務所」という特殊なモデル事務所(モデル派遣)にお願いしてて、 東京だと「北村美術モデル紹介所」と「プールヴーモデル紹介所」という大きな美術モデル事務所が2つあり、どの美大もこの二つのどちらか、あるいは両方に美術モデルさんの派遣を依頼してます。
(地方の美大さんだとどうしてるんだろ?「モデルを使わない」なのかな)
でも入試だとモデルさんが大量に必要だから、コスチュームモデルであれば学生さんがモデルをやるケースもあります。
ムサビも通常授業時の首モデルだったら、卒業生や学生さんにモデルバイトをお願いしてるし、美術予備校のコスチュームモデルもだいたい卒業生じゃないかしら。
ポーズは、20分ポーズが基本。
もちろん例外もありますが、基本は20分ポーズです。
20分間ポーズを取っては、5分休憩。
私たちが休むわけじゃなくて、モデルさんの休憩ですね(笑)
これを6本繰り返し(途中10分休憩もあります)、半日6ポーズがベースで、東京の美大・芸大だとこのパターンでやってるはずだし、全国的にも同じじゃないかと。
ちなみに通常の授業では半日6ポーズですが、ムサビの場合、入試時は特別に半日7ポーズ、1日14ポーズで行っています。
自分たちの勉強のために体を使って、場合によってはヌードになって協力してもらってるわけで、「モデルさんを大事にしないとダメ」「美術モデルは美大の宝」ということを彫刻学科時代、そして教務課時代に叩き込まれました。
今でもそう思ってます。
ほんとに美術モデルってつらくて大変な仕事なんですよね。
(想像できない方は、とりあえず20分間静止の立ちポーズを4本ぐらいやってみてください。もちろんテレビやラジオは消して、20人ぐらいにじっと見られてる状態をイメージして)
ムサビの学生ハンドブックには「美術モデルの大事さ」が以前は書いてあったけど、まだ残ってるかな?
多くの人は「モデルと教材、何が違うのよ(同じ扱いでいいだろ)」な認識だから、真っ先に削られる部分だとは思ってますが。
同窓会等で「美大に通ってます(美大出身です)」と教えると、
「じゃ、ヌードとか見れるの?いいなー。オレも美大にいきてー」
と必ず言われるのが「美大生あるある」。
ま、一般大学の人とは会話の接点がほとんどないんで、こういう話で盛り上がるしかないってのもあるんですが。
結論から書くと「嫌ってほど授業でヌード見ます」。
このヌードですが、「ヌードモデルといってもあくまでもモチーフ」と解釈するパターンとしないパターンがありまして。
これが難しい問題なの。
「美術にかかわる人間たるもの、ヌードで興奮しちゃいけない」という考え方があります。
基本はこれで、制作中は別に変な気を起こすことはないです(笑)
でも、「それはモデルさんを単なるモノとしか見てない証拠。女性ヌードを作る以上、興奮するべきだ!」という解釈もあるんです。
「一体どっちを信じればいいんだ・・」なんですが、恐らく答えはありません。
そうだ。
手や自画像をうまく描けない、作れないと悩んでる受験生の皆さん。
ヒントを教えましょう。
人間の体には、へこんでる部分はないんです(ドーン!)
意味わかります?
自分の手を見てください。
手の甲とかへこんでるように見える部分は、実はとなりの筋肉(もしくは骨)が隆起してるから、へこんでるように見えてるだけなんです。
わかりやすいのは桃かな。いわゆるお尻部分。
2か所が膨らんだからその間に溝みたいなものができてるだけで、後から溝を入れたわけじゃないっすよね?
これに気が付いて意識するかしないか、穴のように描くか山と山の間に生まれた谷として描くかで、線の入れ方(力の入れ方)が全然変わります。
「へこんでる」と思ってるから、手のデッサンがビニール手袋みたいになるんです。
どうっすか?
今まで書いた中で一番ためになる豆知識でしょ!
ダテに彫刻学科を卒業してないっすよ。ダテだけど。
しかもモロモロ終わったタイミングで描くなよ、って話ですな。
と、ここまでがいつもの長い前置き(えっ)
本題に入・・・ろうと思ったけど、説明が長くなっちゃったので明日に続くっ!