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美大ラウンジ(裏)

美大、デザインラウンジの「裏」の話を、手羽イチロウとその仲間がお伝えするブログです。

2015年02月8日

手羽ちゃんの美大受験アドバイスその9-都市伝説編

今日のムサビは 入試期間中唯一入試がない日な手羽です。
といっても、私たちは入試業務真っ盛り、日曜出勤なわけですが。

美大入試アドバイスをやっております。
これまでの話はこちら。
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその1-導入編
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその2-交通編
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその3-会場編

手羽ちゃんの美大受験アドバイスその4-実技試験編
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその5-学科試験編

手羽ちゃんの美大受験アドバイスその6-緊急編
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその7-時間つぶし編
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその8-道具編

東京美大だと、タマビさんがグラフィック、東京造形さんが絵画の試験日。
造形さんはこれで一般入試が終わり、タマビさんはちょうど入試期間真ん中というタイミング。
ムサビ入試も中休み、明日から後半戦スタートだから今日はこんな話を。

ムサビ入試の都市伝説について。

 

受験生や高校・美術系予備校の先生からこんな噂をよく聞きます。

「学科試験の点数が悪いと実技が良くても落とされるらしい」

「ムサビは実技で9割以上取ると無条件で合格になるらしい」

「ムサビは学科試験が40点以下だと落とされるらしい。去年までは20点以下だったのに厳しくなった」

「ムサビは学科試験が難しい」

「ムサビは学科試験を重視してる」

等、いろいろ。
「友達の友達から聞いたオオヤケにムサビが公開していない情報」
「twitterで誰かが言ってた」
「ムサビに詳しい人に聞いた話」
「予備校の先生が言ってた」
として噂されていますね。

一番多いのは「ムサビは学科試験を重視してる」かな。

実は。
正しい答えが募集要項にちゃんと書いてあるんです
28ページの「合否判定」をご覧ください。

1. 総得点の高得点順に合格者とします。

2. 判定の対象とする科目のうち1科目でも配点の20%未満の得点がある場合は、不合格となります。なお、【センターA方式】【センターB方式】のうち、本学が指定する大学入試センター試験の教科・科目においては、実際に合否判定に使 用する科目に20%未満の得点(国語は「近代以降の文章」として指定される問題のみ。英語でリスニングテストの成績を利用しない学 科・専攻はリスニングテストの得点を除く)がある場合は、不合格となります。

3. 受験すべき科目のうち1科目でも未受験の科目がある場合は不合格となります。
【 センターA方式】【センターB方式】のうち、デザイン情報学科については英語のリスニングテストを未受験の場合は不合格となりま す(大学入試センターによるリスニングテスト免除者を除く)。

4. 同一学科・専攻の【一般方式】と【センターA方式】【センターB方式】を併願し、ひとつの方式で合格し、他の方式で補欠となった場合 は、補欠となった方式については繰り上げ合格の対象としません。

3は「必要科目全部受験してないと不合格」、4は「同じ学科・専攻の一般方式とセンター方式を併用した場合、どっちかが合格だったら片方の補欠繰上げ合格はないっすよ」という意味。

んでポイントは1と2です。

1は簡単に言ってしまえば、
「合否は学科試験(国語・外国語)と専門科目試験(実技試験)の点数を足した合計点(総得点)の順位で見てますよ」
という意味。
なので、実技試験がめちゃくちゃ点数良くても学科試験の点数が悪ければ合計点では低い位置にくるし、その逆もそうです。
総得点なので。
だから「学科試験の点数が悪いと落とされるらしい」というのは半分本当ですが、実技が悪くたって落ちます。はい。
現役合格の最大のテクニックは、「学科試験で少しでも高い点数を取り、浪人生にはどうしても負けてしまう実技部分を補う」ことに間違いありません。

「総得点の同じ人がいた場合、こっちの科目が高い方を優先する」てのはありますが、合否判定基準はこんなもんです。
ちなみにほとんどが「学科試験200点+実技試験300点=総得点500点」で、この配点バランスはタマビさんも全く同じだから、「ムサビはタマビより学科試験重視」というのも間違ってて。
ただ、タマビ募集要項に書かれてる合否判定

1. 原則、受験科目全ての総合点により判定します。ただし、受験科目のうち一定の点数に及ばない科目があれば、総合点が高くても不合格または補欠となる場合があります。

この「原則」が「例外がないこともない」という意味なのかどうか、引っかかったりはするけど・・。

 

2は書かれてる通りです。
「一個でも20%未満の点数があったら、どんな場合でも不合格になります」
という意味。(「なお、」以降ははしょります)

いわゆる「足切り」に該当するものがこれですが、20%ということは学科試験であれば100点中20点です。
ムサビの学科試験問題を見てもらればわかるのですが、基礎学力さえあれば、そんなに取るのが難しい点数ではないし、某大手予備校さんが出してる分析でも「ムサビの学科問題はちゃんと勉強をした人であれば解けるレベルの問題を数年来ずっと出している」と毎年評価してくれてます。
既に書いてるとおり、ムサビ学科試験出題者も「点を取ってもらうための問題を出してる」とおっしゃってるぐらいですし。(とにかく空白を埋めよう!)

以前は「5%条項」というのがあって、「基本は総得点順なんだけど、学科・実技のどっちか90%以上取ってれば、どっちかが点数悪くて総得点順では低い位置にいても、定員の5%までは合格にすることがありますよー」てのがありました。
よくこの部分が一人歩きして、「実技で満点取れば無条件で合格できる」という噂になってたようですが、今はありませんので。

 

「ムサビは学科試験を重視してる」と噂される理由は他にもあります。

ムサビは約20年前まで「1次学科試験で足切り」をやってました。
アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞されたことがあるタマビ出身の加藤久仁生さんもインタビューでこう答えてます。

東京造形大学、武蔵野美術大学は、なんと学科で落ちちゃいました。『実技を受けれずに、なんのために1年浪人したんだろう』と(笑)。それでも多摩美術大学は学科での足切りがなかったので、なんとか入れたんですけど
[「アニメーションってこんなに豊かな世界なんだ!」『つみきのいえ』アカデミー賞作家・加藤久仁生インタビュー【前編】より]

ギリギリ1次学科試験足切りやってた頃ですね(笑)

そういうこともあって、
「学科試験が悪いと実技試験を受けられない」

ムサビは実技よりも学科試験を大事にしてる
というイメージがその頃受験された方には強く残り、そしてちょうどそれぐらいの年代の方が今は高校や予備校教員の中堅どころになっていることが大きく関係してるかも。
本当の理由は「当時は実技試験で使えるアトリエが足りなかったから仕方なく」なんだけど、イメージって怖いです・・・。

美術系予備校さんを訪問した時に、実技系担当の先生からは
「ムサビは学科試験が難しい」
「ムサビは学科試験を重視しすぎてる」
と怒られ、同じ予備校の学科担当の先生からは
「ムサビの学科試験はちゃんとレベルに合わせた問題を出してる。あれを『難しい』という人は全く勉強していない人」
と慰められることがよくありました(笑)

現役受験生は仕方ないとも思うけど(私も受験生の時はそんなに募集要項を読み込んだりしなかったし・・・)、高校や予備校の先生も知らない方が多いんですよ。

 

そして、ムサビの教育理念「教養を有する美術家養成」も関係してるかもしれません。
でも「教養=学科試験」ではないし、「学科試験が大事」ではなく「学科試験も大事」なんですけどね。

都市伝説といえば、「ムサビはグローバル支援事業に採択されてるから、英語を無理やり勉強させられる」 と思われがちですが、実は授業で英語は必須科目ではありません
ま、必須にしちゃって「うちはグローバル大学です!」と宣伝するのが一番簡単なんだけど、「外国語を必要と感じる人には最大限サポートを、興味がない人には興味を持てるようにサポートを。でも本当に必要と思ってない人はそれでいいんじゃね?」というのが今のスタンスです。
(数年後はわかりませんが)
もう少し興味をもつ人が増えるととっても嬉しいけどね(笑)

 

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