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美大ラウンジ(裏)

美大、デザインラウンジの「裏」の話を、手羽イチロウとその仲間がお伝えするブログです。

2015年03月25日

旅するムサビプロジェクト2015報告会

昨日、教務課長から「こっちは仕事が大変なのに手羽さんのブログは『岩室行った!』とか楽しそうに書いてて、ムカつくから見ないようにしてる」と言われた手羽です。
手羽の編集テクニックにだまされちゃいけないなー。
仕事だもん。楽しそうに書いてるだけで、大変なところは隠してるだけなのに。
どこが大変だったかというと・・・うーん、ないか。てへ。
てか岩室の話とか最近のことじゃん・・。

さて、こちらは今週金曜日開催です。

旅するムサビプロジェクト2015報告会
●日程:2015年3月27日(金) 16:00-18:00(報告会)、18:20-20:00(懇親会)
●場所:鷹の台キャンパス 2号館202教室(報告会)、12号館8階談話室MAU(懇親会)
●報告予定内容
•埼玉ルートでの活動
•ムサビる!
•黒板ジャック
•金沢美術工芸大学での活動
•小諸発!ドリーム列車 “絆”での活動
•茅野市、岡谷市での活動
•旅するムサビメンバーによるトークセッション

まず、初めて「旅するムサビ」(以下旅ムサ)という言葉を知った方に説明を。
というのも、
武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクト
ここにも「旅ムサとはなんなのか?」がちゃんと書かれてなくて・・。

旅ムサは、美術教育普及活動のために学生と教授が全国各地の学校を旅して、小中高校、美術館、自治体等と協力し、地域の子供達と大人を巻き込み、鑑賞・造形活動をともに学び合いながら展開しています。
教職課程の三澤先生や教職履修生が中心にはなってますが、授業でも産官学連携でもなく、はたまた大学企画プログラムでもない完全な課外活動で、ボランティアによる学科横断型プロジェクトなのです。
(大学から少しだけ「援助」はしてますが、先生や学生さんの自腹運営でやってます)
また、「教授が」と先ほど書きましたが、三澤先生はあくまでもコーディネータ役で、実際に回してるのは学生さん達です。
日本全国だけでなく、2012年には「旅するムサビin上海」も実施しており、この3月には「旅するムサビinフランス」を開催・・・する予定だったけど現在の世界情勢から中止になりました。

旅ムサにはいくつかのコンテンツがあります。

メインは、小中高校に学生の作品を飾り、描いた本人等が児童や生徒に解説する「対話型鑑賞プログラム」。
これがよく考えられたプログラムになってるんです。
1)作者じゃない人がファシリテータ(進行役)をつとめる
作者本人に素直な感想って言えないじゃないですか(笑)
他者が進行することでそこには自由な感想をいいあう場ができ、また、あくまでもファシリテータは進行役であり、「これはこうですね」と教えたりはしません。

2)好き嫌い関係なく作品を見つめる
「この作品についてどう感じましたか?」と聞かれると、じっくり見るしかない。
「作者はどういう気持ちでこの作品を作ったんだろう」とさっきまでは気が付かなかったことが見え、どんどん作品の中に入っていく。
まるで作品にダイブしていく感覚を体験できます。

3)他の人の感想も聞ける
「自分はこう思った」けど、他の人は違うところを見てたり。
「へー。そういうところを人は見てるのか。そういわれればそうだな」とか。

4)作者が後から登場する
「答えのようなもの」を作った本人から直接聞ける。
ただ、それはあくまでも「答えのようなもの」なのがポイント。
ファシリテータからも「作者のコメントもあくまでもひとつの考えです」と補足が入ります。

鑑賞者は深く作品や美術について考え、他人と自分の違いを知り、「それもアリ」ということに気づき、そして作者は「そういう捉え方もあるんだな」と学べる。
鑑賞者と作者・ファシリテータにとって「美術とはなんなのか?」を考える場、それが対話型鑑賞プログラムなのです。

 

また、小学校や中学校を美術館に作り変えてしまうスクールアートプロジェクト「ムサビる!」も旅ムサのひとつ。
ムサビる!独自のブログも最近立ち上がりましたよ。
ムサビる!日記
「ムサビ日記」じゃなくて、「ムサビる!日記」なので、お間違えのないように(笑)

中学校の教室で学生さんが公開作品制作をする」なんてこともやってます。
2週間とか美術教室の後ろで学生さんがずっと絵を描いてるんです。
でも前方では普通に授業をやってるの(笑)
もともとは春休みとか長期休業期間、大学のアトリエを使えない学生さんが中学校で場所借りて描くようになったのが始まりです。
ほとんどの中学生からすれば恐らく初めての「美大生」であり、「実際に油絵を描いてる人」であり、「美術とのふれあい」。

そして。
最近テレビや新聞等でたくさん紹介されてる、児童・生徒に内緒で教室の黒板にチョークで絵を描くサプライズアートプロジェクト「黒板ジャック」。
「これから旅ムサが始まりますよー」という挨拶と「アート作品で子供たちに驚きを味わってほしい」との思いから学生が発案し、2011年から始めました。
昨日も日テレ「NEWS ZERO」で黒板ジャックが紹介されてましたね。
そうなんです。黒板ジャックは「旅するムサビ」の一環なんですよ。

黒板ジャックは「うちでもやってほしい」と学校、教育委員会、はたまた市の観光課や代理店さん等、皆さんが想像する以上に依頼が殺到しています。
ちなみにタマビに「おたくがやってる黒板ジャックをやってほしい」と電話があったそう(実話)
ま、普通の人からすればタマビとムサビの違いなんてわかりませんからね。
うちの親から「あんたんところの先生が昨日テレビに出てたよ」と電話かかってきて調べたらタマビの先生だった、ってことがありましたし・・。

あくまでも旅するムサビの一環である黒板ジャックなので、そこだけが抜き取られてメディアに紹介される傾向に、正直なところ、ちょっと困惑はしてます。

ただ。
特に報告会のトークセッションに参加する学生さんにお願いがあるんだけど。
「黒板ジャックばかり紹介される!(怒)テレビってやつは!もっと旅ムサの本質も放送しろ!」なメディア批判で終わるのだけは勘弁してほしいな、と。
なぜ黒板ジャックばかり注目されるのか。
その様子をイメージするだけで、なぜみんな感動するのか。
ムサビ生なら、ぜひそこをトークセッションでは追究してほしいと思ってます。
「黒板ジャックばかり!(怒)」なんて話はみんなが思ってることだから別でやればいいわけで、せっかくの報告会でそれがメインになったら時間がもったいないっす。
むしろメディア批判だけで終わったら、「ラッスンゴレライ」になる可能性が高くなります。
それが一番避けたい事態であり、新しい「旅ムサ」のためには、ね。

最後に。
三澤先生に「旅ムサはムサビ限定でやりたいですか?」と聞いたんです。
答えは「他大学にも広がってほしいんだよねー」でした。
多分そうだろうと思ってました。
ムサビってそういう大学なんです(笑)

美術教育振興でやってることなんで、「ムサビが開発したプログラムだから他大学はマネするな!」なんてことはいいません。
むしろどんどんやってもらいたい、というスタンス。
ぜひ、今度の旅するムサビプロジェクト報告会では、美術教育関係者や他美大関係者はもとより、一般の方も参加してほしいのです。
美術関係者が「美術は大事」といくら発信しても影響力がなく、むしろ他分野から「美術の必要性」を訴えてもらわないと意味がなく。

 

 

以上、書くのを忘れてましたが、残り数回の更新で手羽の美大ラウンジ(裏)はお休みに入る予定な手羽がお送りいたしました。
あ、美大ラウンジ(裏)は続きますが、「手羽の更新」は頻度が落ちます。
某所でブログを書くことになりまして・・・。

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