2015年02月24日
手羽ちゃんの美大受験アドバイスその22-不合格だった人へ編
今日はいきなり本題に入る手羽です。
美大受験アドバイスシリーズをお送りしてます。
これまでの話はこちら。
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその1-導入編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその2-交通編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその3-会場編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその4-実技試験編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその5-学科試験編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその6-緊急編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその7-時間つぶし編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその8-道具編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその9-都市伝説編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその10-受験票編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその11-妄想編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその12-モデル編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその13-モデル編2
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその14-入試のアト編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその15-倍率編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその16-国公立編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその17-合格発表編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその18-合格発表編2
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその19-合格発表編3
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその20-合格した人へ編
■手羽ちゃんの美大受験アドバイスその21-合格した人へ編2
藝大入試もいよいよ明日から始まりますね。
そのタイミングであれなんですが、今日は残念ながら不合格だった方への話。
「自分の実力不足だった」「予備校、サボったもんなあ・・」と理解されてる方には「もっと勉強してください」というしかないです。
でも、ムサビなりタマビなりを目指して一生懸命頑張った自信が自分にあるのなら、確実に将来を動かせる可能性があります。
「受験を死ぬ気で頑張れた」という気持ちが今後の自分に必ず何らかの形で役立つはず。
そして、この時期だと「第2志望の学科(大学)にいくか、浪人して来年第1志望を目指すか」と悩んでる方も多いはず。
以下は「美大卒業生」としての私の個人的な意見です。
選択肢が東京の私立美大であれば、浪人はせずに第2志望の学科(大学)に行くべきだと思ってます。
もちろん、「自分が求めてるものは第1志望のあの学科しかありえない」という方は頑張って来年チャレンジしましょう。
そして「あの大学に行かないと絶対に後悔しそうだから」というのなら、それも止めません。
でも、
「周りの人があっちの方がいいって言ってるから」
「友達があっちの学科を選んでるから」
「先生があの学科に行けと言ってた」
ぐらいな理由であれば、第1志望に選んだ理由を自分で明確に説明できないのなら、実は浪人して行くほどの価値はないのかもしれない。
言い換えると、「それほど違いはないかもしれない」。
「●●美大だったら●●が学べるって噂だから」
「●●って著名人を輩出してるって相談会で聞いたから」
という理由だったら、ほとんどのものは「それならムサビでもできるよ」「●●さんって知ってる?知らないの?その人はムサビだよ」と手羽は数秒で言い返せる自信があります(笑)
そんなもんです。
これはタマビ広報も東京造形大広報も同じだと思います。
「アニメのフィギュアだけ作りたい」と言われると「ごめん。ムサタマでは無理。それしか学べない●●大学か専門学校に行った方がいいよ」と答えるしかないけどね。
あ。条件に「選択肢が東京の私立美大であれば」とつけてます。
関西の美大さんだと話は変わるし、やっぱり国公立大にしかない利点もありますから。
浪人して合格した人に聞くと、ほとんどの人が
「浪人時代が絵の描き方を一番真剣に学び、研究した期間」
「一度は浪人した方がいいよ」
と答えますね。
やっぱり1年以上みっちり「訓練」した人の絵は違います。
そして、「浪人」って響きも少しかっこいいし、予備校の浪人生を見てると、アウトローぽくてイメージしてた美大生って感じだし、なんか大人みたいだし、デッサンが上手だし。
美大希望者なら、お金が許すのであれば一浪ぐらいは経験してもいいとは思ってるけど、「美術予備校」というかなり特殊な世界ではなく、ちょっとでも早く世間(に近い環境)に出れるのなら・・つまり、大学に合格してるのなら、そっちを選ぶのも将来的にはいいことじゃないかと。
そして。
「君は一浪すれば藝大にいける!ムサビなんか行かずに一浪しろ!」
と言ってくれる、あなたがネ申のように慕っている予備校講師がいたとします。
多くの場合は真剣にあなたの将来を考えてくれてる方だと思いますが、一方で
「浪人生がいないと収入源が減る」
「ムサビでもいいんだけど、やっぱり次年度広報のために『藝大合格者』の数が欲しい」
という考えの人が、少なからずいる事実もあるわけで。
浪人して希望大学に行けなくても、その不安だった1年間と予備校費用をその人が清算してくれるわけではありません。
「君は一浪すれば藝大にいけるはず!」と言ってくれる人と「浪人せずに現役で入った方がいい」と言ってくれる人。
どちらを信用するかは、最後はその人との信頼関係なんですよね。
ただ、第2志望進学を選択した場合は
「あ~あ、本当はタマムサに行ける実力を持ってる自分なのに、こんな大学なんて」
と思ってたら、それで終わり。
ムサビにも時々いるんですよ。
「本当は藝大に行ける実力を持ってたはずなのに。ムサビなんて」って人前で言ってる人が。
心で思ってればいいのに。
そんな人がいい作品を作れるはずがなく、実際にあんまり良くないです(笑)
「私を落とした大学の先生め!私の実力を見るがいいわ!!」ぐらいの気持ちでいきましょ。
たまたまムサビやタマビの先生があなたの絵に興味を持たなかっただけで、それだけのこと。
「ムサタマの先生は見る目がないなー」で「とりあえずは」いいと思います。
ちょっと手羽の話を。
漫画家か美術教師かイラストレーターになりたかったので、最初の第1希望はグラフィック系か油絵系でした。
彫刻とか立体とかほとんど興味なかった・・というかむしろ苦手で。てへ。
で、高校2年の春に画塾へ行くわけですが、初めて
「東京美大の倍率」
「その学科にそった実技入試訓練が必要」
「自分より上手い人がいっぱいいる」
ことを知り衝撃を受けます。
「絵が好きなだけじゃダメなんだ」と。
当時は視デが25倍、油絵学科が18倍、彫刻が4倍ぐらいの時。藝大なんて受験すること自体がおこがましい倍率。
で、行ったその日に画塾のアベ先生から言われたのが「彫刻は倍率が一番低いから彫刻に行け!」というさらに衝撃的な言葉。
こう続きました。
「油絵やデザインは最悪家でも描ける。でも彫刻は家では作れない。『大学を利用する』ということでは一番意味があるのが彫刻学科。そしてこれからは平面も立体的な解釈がマストになっていくから、今立体・空間の勉強をしておくことは将来的に絵画の方向に進んでも役に立つはず」
「どこでもいいから東京の美大へ一刻も早く行くことが大事。浪人して藝大入るのもいいけど、『東京』に価値があるんだ。なんだかんだ東京でしか学べないことは多い。そこで何を学ぶかはあとは本人次第で学科の括りや大学なんて関係ない。とにかく田舎にずっといちゃダメだ。だから倍率の低い彫刻を受けろ」
地方創生推進派から怒られそうなセリフですが、手羽もこのド田舎にずっといたら危険だと感じていたのですごく共感したんです。
んで、第1志望の油絵学科と当時一番倍率の低かった彫刻学科を受けて、油絵は落ちたので彫刻に入った・・というわけ。
第1志望は油絵だったけど、彫刻は第2志望というか「東京へ行くための口実」ぐらいの考えでした。
実は「彫刻を学びたい!」という強い意志で彫刻学科を選んだ人間ではないのです(笑)
でもこの選択はそんなに間違ってないと今でも思ってるし、そうアドバイスしてくれたアベ先生に今でも感謝しています。
最後は運と縁
そっちに落ちて、あっちに合格したのも何かの縁かもしれません。
ご家庭の都合で浪人できないために他大学進学を選択する場合もあるかと思います。
でも、それは運命・・と書くと「悲しい運命しかないのか(涙)」と言われそうだけど、あなたが気がついていない何かのきっかけを神様が作って待っているのかもしれない。
なので「どれを選択すべきか」は正直どれでもいいのだけど、最後は自分の責任のもとで決めて欲しいと思ってます。
高校3年生にそれを求めるのは酷かもしれませんが、「お母さんやお父さんがそういったから」「先生が」で決めてしまっては、 後で後悔するだろうし、気持ちとしてモチベーションが入らず、どの選択でも不満足な結果になるはず。
アドバイスはもらったとしても、最後に決めるのは自分であって欲しいのです。
どれが正解かなんて今は誰もわからないし、そもそも正解なんてないっす。
自分の意識次第で正解に近づけることができるだけで。
以上、もちろん地方で学ぶ価値もあると思ってる手羽がお送りいたしました。
「自分にとって何が大事か」で選択肢が変わるわけで、私は「東京の人・刺激・情報の多さ」を優先したに過ぎず、「のんびりした環境」「地方を活性化したい」「伝統」が重要であれば、そうするべきだと思ってます。