2014年02月11日
手羽ちゃんのムサビ入試ワンポイントアドバイス6
今日のムサビ入試は工芸工業デザイン学科の鉛筆デッサンとデザイン。
■卒展特集2014 | 武蔵野美術大学 | 平成25年度 卒業・修了制作展 レポート | [JDN]
ここでは「工業工芸デザイン学科」と紹介されてるけど、「工芸工業デザイン学科」なのですっ!!(涙)
受験生はまだタマビや藝大等が残ってると思いますが、とりあえず2014年度ムサビ入試最終日でございます。
とはいっても、入試業務はまだまだ続く手羽ですが。
てなわけで、今日がムサビ入試ラストワンポイントアドバイス。
■手羽ちゃんのムサビ入試ワンポイントアドバイス1
■手羽ちゃんのムサビ入試ワンポイントアドバイス2
■手羽ちゃんのムサビ入試ワンポイントアドバイス3
■手羽ちゃんのムサビ入試ワンポイントアドバイス4
■手羽ちゃんのムサビ入試ワンポイントアドバイス5
ムサビ入試というか美大入試アドバイスなんですが、最後のアドバイスはやっぱりこれかな。
問題文をちゃんと読もう。
これもすんごく当たり前のアドバイスなんだけどね。
おっと、アドバイスをする前にこの単語の説明を先にしておかないと。
「モチーフ」という言葉がありますが、美術用語としての「モチーフ」は主に2つの意味がありまして。
1つ目は「絵や彫刻で再現される対象」。
難しい表現をしましたが、ドラマ等の美術教室のシーンで台の上にリンゴやら布やらフランスパンやらガラス瓶などが置かれているのを見たことがあると思いますが、それです。
それを見ながら油絵を描いたりします。
厳密にはイコールではありませんが、普段の会話で使う意味として似てる日本語は「静物」が一番近いかも。
2つ目は、「題材や動機」という意味。
違う単語だと「テーマ」「イメージ」「想定」が近いかな?
昔だと、美大入試における「モチーフ」の解釈は、ほぼデッサン試験では前者、デザイン試験や油絵試験では後者でした。
すごくいい例が本日の工芸工業デザイン学科ですな。
昨年度の工デ試験問題と参考作品をご覧ください。
■入学試験ガイド2014 | 武蔵野美術大学 | 工芸工業デザイン学科
問題文を見てみて。
鉛筆デッサン試験では「机上のモチーフをデッサンしなさい」と書かれてて、デザイン試験では「任意の『文字』をモチーフとし、指定された枠内に立体的に色彩表現・構成しなさい」となっています。
おなじ「モチーフ」という言葉を使ってるのに、微妙にニュアンスが違うのよ。
これ、面白くありません?
つまり、鉛筆デッサンの採点ポイントは「いかに忠実に形や質感や量感等を再現し、構図が優れているか?」「描写力」で、デザインの採点ポイントはいろいろあるけどやはり「発想力」になる、と。
ここからが本題。
でも、最近はデッサンでも発想力を見る出題が増えてます。
去年の油絵学科「デッサン」試験の問題文と「出題意図と評価のポイント」を見てください。
■入学試験ガイド2014 | 武蔵野美術大学 | 油絵学科油絵専攻
問題文が「机上のモチーフを自由に描きなさい」。
この「自由に」がクセモノ(笑)で、出題意図を読むとやはりこの「自由に」がポイントになってるのがわかる。
出題者がはっきりと「一見ものたりなく感じるようなモチーフ」と解説してるとおり、「自由に」を読み飛ばして「机上のモチーフを描きなさい」だと思ってそのまま描くと、物足りない絵になるのは当然のことで・・・。
昨日の日本画学科「鉛筆デッサン」もすごくいい例ですね。
モチーフ台の上にダンボール・ガムテープなどが置いてある試験でした。
普通のデッサン試験ならこれをそのまま描く試験なんだけど、問題文には「手を加えなさい」と書いてあり。
恐らくこれは「イメージ力」を見る試験(多分)
パっと思いつくのは「荷造りしてる絵」とか「ダンボール箱から手がニョキっと出てる絵(怖)」とかかな?
問題文をちゃんと読まないと出題者の意図を読み取れないし、「手」を描いてないと課題違反(減点対象)になってしまう、というわけ。
「問題文をちゃんと読もう」というのは、こういうことなんです。
ただ。
ここまでは美大職員なら誰でも書けるアドバイス。
手羽がモチーフ準備担当をやってる時、実技試験出題者に「この問題文だと、こういう解釈をしちゃう受験生もいるんじゃないですか?」と聞いたことがあるんです。
すると出題者がこう答えました。
「うん。それはそれでいいんじゃない?ものが良ければ」と。
そうなんです。
出題者が想定してるイメージ以上の絵を描いた場合も高得点になりえるんですね。
採点が終わった後に、「手羽ちゃん、この問題文からこんなイメージを出してきた受験生がいたんだよ!すごくない!?」と興奮気味に語ってきた先生もいました。
以前基礎デザイン学科の基礎造形試験で、
「ドラえもん」を幾何図形を用いて再デザインせよ
という伝説の問題があったんです。
普通はドラえもんをそのまま幾何図形で描いちゃいますよね?
でも、その中に「空と雲を描いてる作品」があって、それがどう見ても「ドラえもんに出てくる空と雲」なんですよ。
出題者はこの回答パターンを多分想定してなかったはずなんだけど、この作品、実技参考作品になりました。
美大入試です。
「こう描けば正解」というものがなく、誰もが「パっと思いつく」以外のものを・・出題者が想定した以上のものを「しっかりと」描いていれば、ポイントが高くなる。
どちらにでも解釈できる問題文の場合は、どちらでもいいってこと。
「問題文をちゃんと読もう」は省略しすぎたアドバイスでした。
問題文を理解し、自分なりに発想を広げよう。
実技試験に答えなんてないんだから。
これがムサビやタマビの実技入試で大事だし、それをできる人、気が付いてる人が多くを占めてるのが、ムサビやタマビってことです。
以上、「って、今書くアドバイスじゃないな・・・」と気が付いた手羽がお送りいたしました。