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新しい時代の

デザイン・デザイン教育を

考える場へ

武蔵野美術大学デザイン・ラウンジは、領域・概念が拡大し続ける「デザイン」を捉え、
新たな時代のデザイン教育を創出する「場」を目指しています。

EVENT

【Lecture+Workshop】③アートで届けるプレゼント:【大学生限定】『ヒットゲームのアートワーク 絵は嘘をつかない』(イベント終了)

『白猫プロジェクト』創設デザイナーによる
デザイン力を引き出すための講座
プロデザイナーの表現の極意とは?
コンセプト設計がデザインに与える影響とは?
作品のレベルを数段上げるデザインとは?
作品を印象づけるデザインとは?
レクチャーとワークショップを通して、プロのデザインを体感する講座。

2014年に開催し好評をいただいた講座をバージョンアップして開催します!

 

【大学生限定】『ヒットゲームのアートワーク 絵は嘘をつかない』

ヒットゲームのデザインには理由がある!
キャラクター、背景、UI、演出。
全てのデザインからヒットの秘密を探るレクチャー&ワークショップ。
あなたがアートディレクターになろう!

 

メイン講師:
ファインアート(絵画)出身3Dデザイナー

日時:
2015年 9月11日(金)18:00-19:30

会場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5階

受講料:
無料

定員:
35名(申込・先着順)

主催:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ / 株式会社コロプラ

【Archive】

<Agenda>
1. ゲームについて
2. ゲームってどうやってできているの?
3. ゲーム作りを通してアートの関わり方
4. デザイナーの仕事

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1. ゲームについて
ゲームのマーケット規模とはどのように推移しているのだろうか。
エンターテイメント業界を音楽・映像・ゲームの3つのジャンルに分類して推移を見てみると、2007年から2015年の間に、ゲームのマーケット規模が拡大していることがわかる。そして、この流れは、これから数年の間は伸び続けていくであろうことが推測できる。

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2. ゲームってどうやってできているの?
ゲームが家庭用として導入されたのが1970年代。当時は白黒で構成されたシンプルなゲーム画面で、ゲーム機本体にスコアボードが取り付けられているという原始的な構造であった。
しかし、約40年の月日が流れ、機械やプログラムの技術が発達し、ビジュアルのデザインと絡み合うことで、よりハイクオリティなゲームを作ることができるようになった。

つまり、以前は(当時)最先端のテクノロジーをいかしたシンプル設計の作品であったが、現在は最先端のテクノロジーとアートが複雑に絡み合った作品となった。

現在のゲームは、「モチーフ × コアアクション」という方程式で成り立っている。
モチーフとは、ゲーム全体のパッケージのこと(ガワとも言う)。
コアアクションとは、ゲーム内で操作するシステムのこと。

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3. ゲーム作りを通してアートの関わり方
構想からリリースまでを4段階に区分する。

a. 立ち上がり期
プロジェクト始動。始動時の流行と、リリース予定時期の流行予測とをすり合わせる。

ゲームによって得られる体験やシステム上のことなどのキーワードを出し、それをもとにモック(イメージ図)を作る。

モックを参考に、現実可能かどうかをテストしたり、イメージの共有を強固なものにする。

 

b. デザインコンセプト期
ゲームの具体的な世界観や、ターゲットを明確にしたキービジュアルについてのキーワードを出す。この時点で、ゲームの仕様をほぼ明確にする。

キーワードをもとに、世界・物語・文化などがわかるよう具体的にビジュアル化する。

実際に遊ぶ画面のステージやオブジェクト(障害物など)もビジュアル化する。

2Dキャラクターを3D化する。

プログラムに組み込み、ゲーム化する。

※この時期は、行ったり来たりしながらゲームの内容を詰めていく。

 

★街づくりパートの出現
「忙しい現代人を考慮して束縛しないゲームシステム」を検討し、街づくりパートを設置した。
スマホとはいえ、バトルシーンで長時間目を離すとゲーム進行できないので、長時間放置していてもゲームが進行していくというシステムを導入した。

「バトルパート」「街づくりパート」という大きな柱を土台に、制作していく。

 

★UI/UXデザイン
スマートフォン画面の特徴を考慮しながら、導線を引き、ユーザーを誘導するデザインを考える。
非常に重要な作業だが、この技術に特化した優秀なクリエイターが業界内で少ない。

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c. 量産するための仕組みづくり キャラ&背景(ディレクターの最大の仕事)
★外注交渉
ゲームとはキャラクター、背景、システムなどの無数の要素が組み込まれたコンテンツなので、そもそも物量が大きい。これがゲーム作りの大変さとも言える。
これらを全て自社で制作するのは大変だし、現実的に不可能な場合がある。
現在では他の会社(あるいはフリーランスのクリエイター)に外注し、手が届ききらない部分を制作してもらうのが通常である。

 

★フロー作り
「ラフ→2D、SDキャラ→3D化」
「Map chip Editorツールの活用」

このような効率化したフローや、誰でも生産可能なツールを用意しておくと、1日あたりの生産量を増やすことができる。
また、キャラクターやステージなどは、定期的に開催されるイベントなどで追加されていくので、運用も見据えたフロー作りが重要になる。

ディレクターとして、作ってもらう絵を正確に伝える力、描いてもらった絵を分析して的確に修正する力など、絵の技術力だけでなくコミュニケーション能力、プロジェクトを俯瞰して見ることができるバランス能力が問われる。

 

d. VFX(エフェクト)&演出
映像的演出効果を最後の仕上げ段階で作る。
バトルエフェクト、ガチャ演出など、動きのあるシーンでワクワクできる豪華な演出が求められる。

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4. デザイナーの仕事
★2D
・キャラクターデザイン
・背景デザイン
・お知らせデザイン→運用時には重要なポジションを占める。告知関係なので、ビジュアルやキャッチコピーなど、広告作成能力が要求される。
・UI/UXデザイン→業界内で最も人材が少なく、最も作るのが難しいとされる。

 

★3D
・モデル(キャラクター)→デッサン力(空間把握能力)が長けていると有利。
・モデル(背景・オブジェクト)→背景画が得意だと有利。
・モーション→動体力学、アニメ作画の経験があると有利。
・エフェクト→色彩感覚やデザイン的なバランスがあると有利。

たいていの場合、一人の人間が掛け持ちしてゲームを作っている。

 

<まとめ>
絵は嘘をつかない。絵は描くだけ上手になるし、ポートフォリオを見れば、デッサン力や色彩感覚がわかる。
学生時代は長いようで有限なので、その中で多くの作品を作って、デッサン力やデザイン力、自分ならではの能力を高めていくことが重要である。

Categorised as: EVENT, Workshop

Posted:

EVENT> September 2015