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新しい時代の

デザイン・デザイン教育を

考える場へ

武蔵野美術大学デザイン・ラウンジは、領域・概念が拡大し続ける「デザイン」を捉え、
新たな時代のデザイン教育を創出する「場」を目指しています。

EVENT

【study】武蔵野美術大学×(株)バンザイファクトリー 産学共同研究 成果発表会(イベント終了)

武蔵野美術大学 (東京都小平市、学長 長澤 忠徳)は、平成28年6月1日(水)に武蔵野美術大学デザイン・ラウンジにて「武蔵野美術大学×(株)バンザイファクトリー 産学共同研究 成果発表会」を開催します。

株式会社バンザイファクトリーは岩手県陸前高田で、地域資源と自社のIT技術を活かした製品を開発・製造し、雇用創出による陸前高田の復興を理念とする企業です。
平成27年9月に開始したバンザイファクトリーと武蔵野美術大学の産学共同研究では、岩手県産イタヤカエデという地域資源にバンザイファクトリーが持つIT技術と武蔵野美術大学が持つデザイン技術を掛け合わせ、ユニバーサルデザインの数的根拠に裏打ちされた、美しく持ちやすいスマートフォンケースを共同開発しました。
震災後5年が経つ中、復興を支える動きの一つとして、産学共同でどのような取組が行われているのかを、是非多くの皆様にお聞きいただけますと幸いです。

【成果発表会】
日 時:平成28年6月1日(水) 15:00~16:30

<スケジュール(予定)>
14:30~ 受付開始
15:00~15:05 進行説明(武蔵野美術大学研究支援チーム)
15:05~15:45 プレゼンテーション
・(株)バンザイファクトリー 代表取締役 高橋和良(三重大学社会人大学院生)
・三重大学 理事・副学長 鶴岡信治教授
・武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 田中桂太教授
・武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 修士課程2年生 綾部琢磨
15:45〜16:30 質疑応答、取材

場 所:
武蔵野美術大学デザイン・ラウンジ(東京ミッドタウン・デザインハブ内)

申 込:
発表会は事前受付制となっております。下記よりお申込みいただくか、以下までご連絡ください。
□連絡先 武蔵野美術大学研究支援チーム
メール kenkyu@musabi.ac.jp
電話  042‐342‐7945

その他:
当日は成果物もご覧いただけます。購入も可能です。

 

 

産学共同研究の4つのポイント!

1.復興に向けたものづくり
~地域に雇用を生む製品開発を目指す〜

株式会社バンザイファクトリーが震災以降開発した商品は、星形パスタ麺、椿茶等多岐にわたります。ワカメの大茎や間引きされたホタテ等、日の目をみない地域資源に着目し、それらを白砂糖・醤油・精製塩を使わずに味付けした「三陸甘露煮」は、復興庁主催の「新しい東北復興ビジネスコンテスト」で大賞を受賞し、地元に多くの雇用を生み出してきました。今回の産学共同研究では、IT技術を活かしたものづくりで、地元に更なる雇用を生み出すことを目指しました。

 

2.地域資源の活用
~岩手のイタヤカエデはバイオリンの名器・ストラディバリウスにも使われる木材!~

イタヤカエデは日本では床材以外の使用はほとんどなく、床材として使用された余りの木材は端材として捨てられることも少なくありませんでした。しかし、硬くて柔軟なその素材は、古くよりバイオリンの名器・ストラディバリウスの素材としても使用されてきた秀逸な素材です。秀逸な素材の特性に着目し、地元の資源の新しい活用法を生み出しました。

 

3.ユニバーサルデザインの数値化
~「誰もが使いやすい!」の数的根拠をさぐる~

現在の日本では、ペンよりマウスを握る時間が長いと言われていますが、日本人のスマートフォン所有率が54.7%となる今、「握る」という行為の最も多くはスマートフォンを握る行為が占めると言われています。スマートフォンを持つ、握る等の動作を筋電図で測りデータ化し、「握りやすい」を支える数的根拠をはじきだしました。これまで数値化されたことがないユニバーサルデザインを数値化することにより、スマートフォン以外にも、医療現場でのリハビリ器具等、様々な、握る・掴む・持つという行為を伴う製品への開発に応用出来る根拠が得られました。

 

4.工学とデザインの融合
~工学的見地と美しいデザインを掛け合わす〜

消費者が手に取りたいと思うデザインを考えたとき、海外も含めた購買層に合わせたいくつかのカラーリングパターンが可能であると考えました。木の温もりを活かした木肌のまま、日本らしさを加えた漆塗、マットな発色が活きるミルクペイント。プロトタイピングを何度も重ねて実現された形状に、岩手県沿岸南部の気仙地域に咲く気仙椿を始め、岩手県の自然に着想を得た色を重ね、デザインを施しました。工学的見地にたったユニバーサルデザインの数値化を軸とした共同研究に美しいデザインを掛け合わせた今回の製品開発プロセスは、地方の中小企業の新たな地域イノベーションの実績となりました。

 

【Archive】

<バンザイファクトリー 代表取締役 高橋和良氏のごあいさつ>
震災当時から武蔵野美術大学との産学共同研究に至るまでのお話をしていただきました。
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<武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 田中桂太教授>
iPhoneケースがどのような研究を経て製作されたのか、今被災地で必要なこと・抱えている問題についてお話頂きました。
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<三重大学 理事・副学長 鶴岡信治教授>
バンザイファクトリー・高橋氏が博士課程に在籍する三重大学の鶴岡教授より、大学と企業の協働による地域イノベーションの重要性についてお話いただきました。
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トーク後、参加者のみなさんで製品を手に取り、握りやすさを体感して頂きました。
最後にはフォトセッションを行い、成果発表会は終了しました。

Categorised as: EVENT, Study

Posted:

EVENT> June 2016