lounge

新しい時代の

デザイン・デザイン教育を

考える場へ

武蔵野美術大学デザイン・ラウンジは、領域・概念が拡大し続ける「デザイン」を捉え、
新たな時代のデザイン教育を創出する「場」を目指しています。

EVENT

【event】“コンテンツ”をどうデザインするか?(イベント終了)

企業は生活者にどんなメッセージをどう届ければよいのでしょうか。

新しいサービスやデバイスが次々と誕生し、生活者の行動が目まぐるしく変わる中、文脈に沿ったコミュニケーション全体をデザインすることは、日に日に難しくなってきています。

生活者は、サービスや商品に触れるのと同様に、企業が発信する編集された情報=「コンテンツ」からもメッセージを受け取り、企業イメージを蓄積しています。
つまり、この「コンテンツ」をいかに活かしていくかは、コミュニケーション全体のデザインにおける大事な要素の一つと言えるのです。

「ビジネスに寄与するコンテンツとは」「企業が発信したいことと、ユーザーが知りたいことの接点とは」「伝わるコンテンツとしていかに編集するか」といった視点で、企業広報ツールやWebサイト、雑誌、情報サービスの設計など、40年以上に渡り、「コンテンツ」をデザインし続けてきたコンセントが、そのノウハウをご紹介。
企業のコンテンツ戦略を支援するコンテントストラテジストと、インタラクションメディアや出版物の情報デザインを担うデザイナーによるトークセッションを行います。

事業戦略としてのコンテンツ設計、運用のあり方と、それをどう表現し生活者を惹きつけるか。
マルチタッチポイントの視点で、生活者とのエンゲージメントをどう高めるか。
あらゆる視座から見える多様な「デザイン」のあり方を、実例を交えてお話します。

 

日 時:
2015年5月29日(金) 19:00-21:00

会 場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5階

対象者:
広報誌・社内報・Webサイトなどを通した情報発信に関わる広報担当者の方
コミュニケーションデザインに興味のある方
今担当している自社発信のコンテンツの価値をあげる必要に迫られている方

参加費:
無料

懇親会費:
1,000円
参加ご希望の方は当日、受付の際にお支払いください。
(お手数ですが、お釣りの出ないようお願い致します)

定 員:
60名(要事前申込み)
*お申込み多数の場合、抽選になります。抽選の結果は5月26日(火)にご連絡いたします。

主 催:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ / 株式会社コンセント

プログラム:
19:00~ ご挨拶
19:10~ 各スピーカーによるレクチャー
20:10~ トークセッション
20:40~ 質疑応答
21:00 終了

イベント終了後、D-Loungeにて懇親会(自由参加)を開催します。
ドリンクや軽食等もご用意しておりますのでぜひご参加下さい。

 

スピーカー プロフィール
<スピーカー>
株式会社コンセント

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金子まや
コンテントストラテジスト
2007年入社。企業の広報誌などの企画編集からキャリアをスタート。
「企業の情報をビジネスに寄与するコンテンツとしてどう落しこんでいくのか」というテーマで、メディアを問わず、効果検証を踏まえたコンテンツの戦略提案を行っている。

nakaoka
中岡慎介
コンテントストラテジスト
2009年入社。企業・大学の広報ツールなどの出版物から販促用Webサイトまで、さまざまなコミュニケーション媒体のディレクションを担当。
アクセス解析などの定量的な観点と、UXをもととした定性的な観点の両面から、コンテンツ戦略の提案に関わる。

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荒尾彩子
アートディレクター/コンテンツディレクター
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
ムックや書籍などエディトリアルデザインのアートディレクション、また、大学広報誌や企業(自動車会社、化粧品会社、金属、教育 等)のコミュニケーションメディアの企画編集とデザインを行う。

takahashi
高橋裕子
アートディレクター
京都工芸繊維大学大学院を修了。
雑誌・ムック(料理、手芸、マネー等)といった出版物のデザインをはじめ、企業・大学の広報物等では、企画面からの提案にも関わる。
2012年春から雑誌『オレンジページ』のアートディレクターを務めている。

 

<モデレーター>
株式会社コンセント

okamoto
岡本亮
サービスデザイナー/アートディレクター
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。エディトリアルデザイナーを経て、現在は「ヘルスケア」「自動車」などの分野をはじめとした新サービス開発支援に従事。ユーザーがさまざまなタッチポイントを経て体験する一連のプロセスを「サービス」であると捉え、顧客体験を基点として事業全体を再構築するサービスデザインを実践している。

【Archive】
<Agenda>
・会社紹介
・スピーカー紹介
・スピーカーによる各役割についてのトーク 1〜4
・トークセッション
・質疑応答

 

◯会社紹介、スピーカー紹介
企業と接する中で、“ビジネスに寄与するコンテンツとは何か”、“伝わるコンテンツとしていかに情報を編集するか”ということが重要であると日々感じている株式会社コンセントに所属するデザイナー。今回のスピーカー4名が話すテーマを紹介した。

 

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◯金子 まや|コンテントストラテジスト
「いま、コンテンツとどう向き合うか」

企業がユーザーに発信したい情報は、増加する傾向にある。
これは、ユーザーに伝わってほしいという強い思いからくるものだが、逆にユーザーにとっては情報過多になってしまうため、情報を捨てていってしまう現実がある。これを解決するのがコンテントストラテジーと呼ばれる存在である。

コンテントストラテジーとは、情報の取捨選択を適切に行うということなので、雑誌編集などのエディトリアルストラテジーはこれに内包されるものである。また、その役割を具体的に言えば、コンテンツ作りにおいて、KPIと質・量のバランスを考え、ユーザーがどうコンテンツに触れるのかのシナリオを設定し、全体的に俯瞰するとPDCAが可能なコンテンツになっているように構造化する重要な役割なのである。

 

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◯高橋 裕子|アートディレクター
「雑誌に学ぶ、コンテンツ戦略をつくる意義」

コンテンツ戦略がコンテンツにとってどのような意味があるのか。ユーザーと企業、どちらの視点からも重要である理由を、今回は雑誌を例に解説していただいた。

幅広いターゲット層、月刊誌ということによる大量の企画進行という現状を細かく分析していくと、以下の点がポイントになる。
・何を(=コンテンツ)
・誰に(=ユーザー)
・どう見せるか(=コンテキスト)

このセオリーを、関わるメンバー同士で共有しておくことで、適切な企画を膨らませることができるようになる。
コンテンツのねらいをどこに定めるかで、伝え方を変えることが重要なのだが、それを浮き彫りにできるかどうかは、しっかりとしたコンテンツ戦略を考えられているかが重要なポイントであるといえる。

 

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◯中岡 慎介|コンテントストラテジスト
「ビジネスに寄与するコンテンンツの“ねらい”の立て方」

コンテンツをつくるにあたり、ビジネス上のゴールと、コンテンツの“ねらい”の繋がりが強くなることで、コンテンツの存在意義やクライアントへの説得力の強化をすることができる。そのためにはどうしたらよいのか、今回は通信教育教材を例に解説していただいた。

・情報の整理
企業活動における全体の情報を、細かいものから大きなものまですべてを洗い出して整理する。

・ユーザーへの行動設定
ユーザー視点にフォーカスし、インタビューなどの調査を行い、図式化する。

・コンテンツフロー
できるだけシンプルに抽象化し、ユーザーの行動をフロー化する。

・具体的なコンテンツ制作
フロー化した図をもとに、適切な段階で必要とされるコンテンツを設定する。

この一連の流れを視覚化したものをコンセプトダイアグラムという。

ここでフロー化したものをそれぞれ数値化することで、仮説(コンテンツ作りにおいて設定したもの)と結果の原因分析を行いやすくなる。

「ユーザーの行動変化をどう起こすのか」を考えることで、ビジネス上のゴールと、コンテンツの“ねらい”を強固に結びつけることができるようになる。

 

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◯荒尾 彩子|アートディレクター/コンテンツディレクター
「コンテンツの“ねらい”を、ユーザーの興味とどう繋げるか」

自社ブランドをアピールしたいと思う企業側の欲求と、ユーザーの欲求は、えてして異なるものである。
それを解消するには、ユーザーの関心とユーザーの文脈を考えることと、企業独自の情報は何なのかを考えなければならない。
今回は大学を例に解説していただいた。

・企業が独自に持っている情報とは、名前や人、場所などもすべて含まれるし、年を経れば資産として積み重なっていくものである。
・ユーザーの興味や関心は、いうなれば社会的トレンドや、ユーザー特有の興味の方向性である。

上記の2つは決して繋がらなさそうに見えても、ニーズはそこにある可能性がある。
これらの情報がどれだけ繋がっているのかで、ねらい通りの効果を期待できるコンテンツ表現を考えることができるようになる。

 

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◯トークセッション
●情報発信における企業が陥りやすい問題とは何か?
その問題の形は多々あるが、コンセプトダイアグラムを応用し、それぞれのメディアに落とし込めれば、どこにどんな問題があり、どう解決できるかがわかるので、どんな問題であっても適切な対応を考えることができる。

●Web、書籍などのユーザータッチポイント全体を見てコンテンツをどう設計を考えるのか?
「現状のコンテンツでユーザーの行動をどう変化させたのか→どう変化させるコンテンツだったのか→タッチポイントとなったメディアは何だったのか→実際のユーザーの声と、タッチポイントとなったメディアは適切であったか→別のメディア(あるいは形)でできないか」
コンテンツの“ねらい”と、ビジネス上のゴールを設定した上で、どこに原因があって、どう対処すればいいかを一目でわかるコンテンツ設計を心がけている。

●Web以外のメディアでコンテンツの“ねらい”を立てるとき、どうやって設定するのか?
アンケートなどの調査をもとに、デザイナー同士で綿密なディスカッションを行い、問題や新しい提案を洗い出す。ただしその際は、自由に発想できる部分はどこで、絶対に揺らいではいけない部分はどこなのかを明らかにする、という注意点がある。

●ユーザーの興味を発想するためにしていることは何だろうか?
・時間や資本があるときはグループインタビューを行うが、それらが無いときは実地調査を行う。その際、書店はジャンル別に本棚が分類されているので、調査しやすい。
・ユーザーのニーズ調査は外だけでなく、同僚や家族などの身内も行う。(場合によっては自分自身も含む)
・Web解析ツールを使った、数値化できる調査も手ごろにできる。
・競合企業のコンテンツから分析し、ユーザーを洗い出すこともある。

アナログ調査、デジタル調査をバランス良く行うことが重要なのである。

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EVENT> May 2015