2015年01月22日
手羽の卒業制作12ヶ条その3
「女性用下着の前部分に付いている『リボン』の意味」がネット上で話題になってますが、 同じような話を5年前に書いてた手羽です。
■美大日記・手羽|タンジブルとインタンジブル
ただ、「デザイン上の理由」ってことは2013年に判明してたりするんだけど。
■永遠の謎解明!「なぜショーツにはリボンが付いているか?」女性用ショーツに関する話 | 「マイナビウーマン」
こういうの聞いちゃダメだし、ワコールさんも簡単に答えちゃダメだよね。
永遠の謎にしときたいよね(笑)
だれか来年、デザイナー視点で卒業制作のテーマにしません?
教育的効果・美術的評価ではない視点の
「卒展ではこういう部分を気を付けるといいよ」
「卒業制作で陥りやすい点」
をまとめています。
名付けて、手羽の卒業制作12ヶ条。
10まではこちら。
■手羽の卒業制作12ヶ条
■手羽の卒業制作12ヶ条その2
11.どんな形であれ完成させる
これ大事。とっても大事。
卒展2日目でも作業してる人がチラホラいるのがムサビの卒展で・・・。
「間に合わなかった」のは問題外として、「悪い部分に気が付けば展覧会中だろうが関係なく追究するのが本当のアーティストだろうが!!妥協はしたくない!恥ずかしいものは見せたくない!」という考えはうっすらわからなくはないんだけど、今できる限りの完成形態を「期日」に見せるのが大事なわけで。
映画「ラヂオの時間」の後半で、
![ラヂオの時間 [DVD]](../../../images/I/51VAPMZ3V3L._SL160_.jpg)
生ラジオドラマの脚本をどんどん勝手に変えられてしまう新人脚本家が「エンドロールで自分の名前を出さないで欲しい」と言った時にプロデューサーがこんなセリフを言います。(一部ネタバレ)
「私だって名前を外して欲しいと思うことがある。しかしそうしないのは私には責任があるからだ。満足行くもんなんてそう作れるもんじゃない。(中略)悪いが名前は読み上げますよ。何故ならこれはあんたの作品だからだ。」
納得してなくてもそれを発表しなくちゃいけないのが「今の自分の実力」であり、「自分の作品に対する責任」であり。
また、個展であれば知ったこっちゃないけど、合同展覧会の場合は「展示場で作業してる風景」ってのは周りに与える影響も大きい。
少なくとも修正作業するのは会期時間外とか人のいない時にやってほしいなあ、と・・・。
ではいよいよ12ヶ条のラストを。
12.卒業制作展は卒業記念制作展ではない。
卒制展サイトや卒制DMにはこう書いてあります。
「制作研究の集大成ともいえる卒業制作・修了制作を・・・」
ムサビは昔からこのフレーズを使っており、いろんな美大さんでも今は使われていますね。
で、ここに最大のヒントが隠れているの、気がついてました?
「卒業制作」は「4年間、あなたは何をやってきましたか?その集大成を表現しなさい」という最後の授業なんです。
「基礎造形1」「絵画III」とか普段の授業と同じレベルに考えてちゃダメで、それに気がついてない人が意外と多いかもしれない。
また、卒業制作は「卒業記念制作」ではない。
小学校卒業の時にみんなでワイワイ作ったトーテムポールや中学校の時に造った巨大タイル壁画じゃないんです。
「記念になんか作りなよ」ではなく、「これまでの自分の集大成」を作るのが卒業制作なんですね。
「卒業制作なんで大きなものを初めて作ってみた」ではなく「4年間学んだことを進化(深化)させ、形的にも大きくさせる」が必要になってくる。
あ、「卒業制作で初めての素材やテーマに取り組む」なチャレンジ精神を否定してるわけでなく、それだったら試作やモックアップを何度も作って研究をたんまりやったものを発表しようね、ってことです。
そして極端な話、「あなたは22年間、何を感じ、考え、何に取り組みましたか?」と問われてるのが卒業制作でもあり。
「あなたの4年間は1日で考えて3日ぐらいで●●と●●を組み合わせただけのように見える作品と等価だったんですか? 」
「あなたの22年間は、試作品を作ってれば回避できたであろう、その自然とピローンと折れ曲がってしまった作品と同じなんですか?」
ということ。
この意識の違いは、作者に直接言わないだけで見てる側からするとはっきりわかります。
ただ、美術の世界の難しいところは、センスや才能のある人だと1日で考えて3日で作ってもいい作品が作れちゃう点です。
そういう人がいるのもまた事実。
てなところでしょうか。
お断りをいれておくと、偉そうに書いてるけど手羽は立体作るの超苦手です(えっ)
工デ卒の奥さんから「あんた、私よりDIY苦手だよね」と言われてるくらい(実話)
「元・教務課卒展担当」「ずっといろんな卒展を見てきた美大愛好家」「ムサビOB」として感じてきたこと・・・・ぐらいに捉えてもらえれば。
手羽裏卒展ツアーやった時に、ムサビ1年生から「展示場所はどうやって決まるんですか?」と目から手羽先な質問を受けました。
「あ。そうか。そこから説明しないと本当はいけないんだな」と。
1年生からすればすごく謎な部分であり、早い段階でここで書いてきたようなことや「卒展ってこんな感じなんすよ」「こういうケースがあるよ」とオリエンテーションやるといいかもしれませんね。
手羽が講師やるんでどこか主催しません?
明日もうひとつ卒展絡みの話を書きます。
以上、そういえば映画「ラヂオの時間」には、
これは「終わり」じゃない。「終わりの始まり」でもない。「始まりの終わり」なのさ
ってセリフもあるのを思い出した手羽がお送りいたしました。
(もとはチャーチルの演説)