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美大ラウンジ(裏)

美大、デザインラウンジの「裏」の話を、手羽イチロウとその仲間がお伝えするブログです。

2015年01月20日

手羽の卒業制作12ヶ条

嫌な予感が的中しちゃった手羽です・・・・。
詳しくは明日。
多分今日の朝刊(多摩版かな?)に記事が出ると思うので。

 

素晴らしい作品が展示され、「ムサビの学生さんはやっぱり優秀だなあ」と毎年誇らしく思えるムサビ卒展。
あ、昨日デ情研究室のご協力で、

手羽ちゃん卒展大賞表彰式を挙行することができました!
研究室も学生さんも忙しい時にほんとすいません・・・。
でも、表彰状作ってる時に気が付いたんだけど、「佐藤博美さん」ってデ情のカワウソ先生とラウンジ先生の名前を併せ持つ、デ情生になるために生まれてきた感がある名前ですね・・。

 

一方で、「???」と感じる作品ももちろんあります。

「卒業制作展」と「芸術祭」の大きな違いは、基本的に卒展は1回しか経験しないこと
見ることはあっても、大学院2年生以外は誰も参加経験値がないんです。
みんな卒展初心者。
それに前例が蓄積されにくいので(引継ぎがない)、毎年卒展を見てる人間からすると「ああ。またこれ、やっちゃったか・・・」と感じることが多々あるんですね。

というわけで、来年以降卒業制作を作る人のために、教育的効果・美術的評価ではない視点の
「こういう部分を気を付けるといいよ」
「卒業制作で陥りやすい点」
をまとめました。
知ってれば回避できるはず。
ムサビ生じゃなくても参考になると思います。

あ、全てムサビ日記・美大日記で既に書いてきたことなので、ご存知の方も多い話です。
念のために書きますが「今年の作品」ではなく「毎年感じる点」ですので、「それはあの作品のこと言ってるのか!」と感じたのであれば、今年もそういう作品があった、ということです。

 

名付けて「手羽の卒業制作12ヶ条」。

 

1.屋外作品は学内全体に影響する

屋外作品は目立つので、屋外作品がしょぼいと学内全体、特に近くの建物の作品全体がしょぼく見えちゃう。
これほんと。
意識してなくても、屋外作品ってその空間のシンボリック的なものになってしまうんです。
特に建物近く(10号館前芝生や中央広場など)はその関係が強いから、作者の学生さんは責任が大きいの。
目立つ場所に置く以上シッカリ作ってほしいし、「3日間ぐらいで作りました」的な作品は避けてほしいな、と。
逆にちゃんと作った作品が屋外にあると、「今年の卒展は良かった」と言われやすい傾向にあります。これもほんと。

 

2.小屋モノは内側と外側をしっかり作れ。いや、そもそもその小屋はいるのか?

手羽は「小屋モノ」と呼んでるんですが、「囲った小屋(ようなもの)の中に入って映像を見る、または穴から外界を見る」みたいなタイプの作品です。
このタイプで一番陥りやすいのは、中のことばかり考えて外装、つまり「箱」の処理を手を抜いちゃうパターン。
自分が見る側の立場だと、見た目の悪い作品の中に入ろうと思いませんよね?
中に入って見てもらいたい作品なら、中身を作る以上に「箱」制作に力とお金をかけるべきなんです。

んで。
「教室の中に自分が占有できる空間が必要=壁で作品を囲む」という展示が最近は多いけど、囲まれた空間が立ってる部屋って、あまり見栄えがいいものではなく。
「そもそも小屋状態にする必然があるのか?」ということですね。
その壁に必然性があったり、外側から見て壁も作品の一つになってるならいいんだけど、「段パネを立てただけですー。1人の空間が欲しかったんで囲みましたー」みたいな作者が、いい作品を作る気遣いがあるとは思えず。

「展示」って「作品を見せる場」ではなく「空間を作る場」だと思ってます。
場合によっては、自分の作品に対し「妥協」することになるやもしれない。
でも、不思議なことに会場全体の空間に調和が取れると、自然とその中の作品も良く見えるもの。
「空間のために基本コンセプトを妥協しろ」という意味ではなく、 「空間を良くするためには、違うアプローチもあるんじゃないの?」ということです。

「屋外作品は全体に影響する」と最初に書きましたが、「室内は周りの作品が影響する」も当てはまります。
同学科内であれば「あの子はこんな作品作りそう」とある程度読めるけど、学科関係なく展示される9号館地下展示室などは隣にどんな作品がくるかわからないので、静かにしっとり見せたい自分の作品の横に照明デカデカな作品がくることもあるわけで。
もちろんある程度は調整されるけど、極端な話そういうことです。

 

3.この時期の風の強さと寒さはハンパない。

屋外作品で忘れちゃいけないのは風対策。
雨よりも実はやっかいで。
中央広場や12号館前、9号館前、2号館のビル風はほんとにバカにしちゃいけません。
私の同期が卒展で中央広場にトタンで作ったような作品を設置したら、風で1日もちませんでした。 ブーフーウーの家状態でトタンが飛んでく姿は今でも忘れられません(笑)

そして、外は寒い!!
屋外展示は
●室内よりも大きな作品が展示できる
●通りすがりの人も見てくれる可能性が高い。→目立つ
というメリットがある一方、室内展示のみんなは来場者の方となごやかな空間を過ごしているのに、屋外展示組は寒くて寒くて作品のそばにはいれないないし、 準備・撤収は凍えるように寒いし、 作品を見に来てくれた友達とも会えなかったし(当時は携帯もなかったので)、芳名帳をおいても風で飛んでいくし、寒いからみんなじっと作品を見てくれないし。
「目立ちたいから屋外に作品を置きたい!」ぐらいな理由であればやめた方がいいです。

ちなみに卒展の時期は5時過ぎから暗くなります。
展覧会時間は9時から5時までなので、「屋外設置で暗い状態がデフォルト」な作品は会期時間と矛盾してるので、室内設置を選択した方がいいっす。

 

4.大きさ・長さ・広さ・高さの「重さ」がある

小さいとわからないけど、大きくなると気が付くもの。
それは大きさ・長さ・広さ・高さの「重さ」です。

例えば、
「布はでかくなると重くなる(大きさ・広さの重さ・空気の重さ)」
「鉄は長くなると予想以上にしなる(長さの重さ・鉄の柔らかさ)」
「紙を立方体にして積み上げたら潰れた(高さの重さ)」
など。
「あれ?鉄って長くなると結構曲がるのね」と気がついた時には講評前日。
「まあ・・しなってるのもアリってことにしよう。曲線を出したかったってことにしよう」とかなんとか理由をつけて終わり。

これらは大きなものを作る時の素材や設置方法の知識・経験がないから起きることで、見る人間が見れば、
「ああ。ほんとは直線にしたかったのに、直前にそっちゃうことがわかったんだろうなあ・・・」
とすぐにわかっちゃいます・・・。
大きなものを作れば「重さ」、つまり重力の影響がどんどん出てくることを覚悟しときましょ。

また、「B1プレゼンボードを壁に両面テープで貼り付けて、翌日出てきたら全部床に落ちてた」ってことも特にデザイン系の人は経験してるはず(笑)
これも「重さ」の一種ですね。

時間がないから次に取る手段は「両面テープをもっといっぱい使う」「超強力リャンメンテープを使う」です。
でも、これって剥がすのが大変で。
せっかく作ったプレゼンボードが撤収の時に剥がす勢いで折れ曲がったり、壁の塗装がベリっとはがれたり・・なんてよくあること。
なぜ虫ピンや展示フックを使うのか。
それは壁の保護でもあるし、撤収作業を含めた作品保護のためでもあり、楽な両面テープではなくあえてその手段を取ってる蓄積された理由があるわけで。

 

5.電気は電源入れて初めて成立する

ビデオとかPCとか電気を使う作品はちゃんと電源いれましょ、ってこと。
なんか当たり前のこと言ってますが(笑)、それができてない作者もいて・・・。

展示室に入ると、明るい部屋に電源の入ってないプロジェクタとパソコンだけポツンと置かれてて、「???プロジェクターだけ置くインスタレーション?」・・みたいな状態ほどみっともないものはなく。
そういうメディアを選んだ以上、「毎朝電源を入れてスタートボタンを押す」のも卒展なんです。

そして、ここだけ今年の話なんですが・・・。
土曜日の9時30分ごろに5B号館に行ったら、
半分ぐらいの部屋の照明がついてないのが外から見えて・・・。
お客さんがいっぱいやってくる土曜日の9時半ですよ。
「え。電気ついてない部屋は展示してないのかな?」と部屋の中を見たら作品がちゃんと展示されてる。でも誰もいない・・・・。
今年、5B号館の作品紹介をしなかったのはそういうことです。

 

まだ5つだけど長くなったので、続くっ!!
以上、屋外作品のアドバイスが多いのは、自分の卒制が屋外作品だったからなの、の手羽がお送りいたしました。

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