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武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ 東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウンタワー5階 〒107-6205 Musashino Art University Design Lounge 5F Midtown Tower 9-7-1 Akasaka Minato-ku, Tokyo 107-6205 Japan telephone : +81-3-3470-7221 / facsimile : +81-3-3470-7225

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EVENT

武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジで行われる
さまざまなイベントをご紹介します。
参加のお申し込みは詳細ページから可能です。

< February 2016

【lecture】公開講座「Explore the Design」第5回(イベント終了)

公開講座「Explore the Design」は、平成24年4月に開設した武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジにて行われる、広大なデザインの世界を探求しそのコアを見出すことをテーマとする講座です。昨年度までの3年間開催してきた「トップデザインセミナー」のエッセンスを継承しつつ、さらなる躍動を目指して開催します。

講 師:
関野 吉晴 氏|探検家、武蔵野美術大学 教授(文化人類学)
教養文化_関野先生

1949年東京都墨田区生まれ。一橋大学在学中に同大探検部を創設し、1971年アマゾン全域踏査隊長としてアマゾン川全域を下る。その後、現地での医療の必要性を感じて、横浜市大医学部に入学、医師(外科)となり病院へ勤務すると同時に、南米通いを続ける。
1993年からは、アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで拡散していった約5万3千キロの行程を、自らの脚力と腕力だけをたよりに遡行する旅「グレートジャーニー」を始め、足かけ10年の歳月をかけて、2002年2月にゴール。
2004年からは、「新グレートジャーニー」として、 日本列島に人類がやってきた3つのルートをたどる。3つ目のルート「インドネシア〜沖縄の海洋ルート」の航海にあたっては、自然から直接採取した材料だけで、手作りのカヌーを作ることから旅が始まり、2011年にゴール。2015年より、小平で「芸術と科学と地域」をテーマにした祭典を展開する事を目指した活動も行っている。

日 時:
平成28年2月26日(金)18:30-20:00 終了後に参加自由の交流会を予定しています。

会 場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階 東京ミッドタウン・デザインハブ内)
会場は同フロアのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター、交流会は武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジで行います。

受講料:
1,000円(当日受付にて承ります)
※武蔵野美術大学の学生は無料(当日受付にて学生証をご提示ください)

定 員:
130名(申込先着順) ※定員を30名追加いたしました。(02/18)

主 催:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ

運 営:
武蔵野美術大学 企画部研究支援センター

協 力:
東京ミッドタウン・デザインハブ

後 援:
港区

【Archive】

・グレート・ジャーニーとは何か、その目的
約400万年前、人類はアフリカ大陸で発生し、ユーラシア大陸を通過、シベリア・アラスカ経由で北米、南米まで行動範囲を広げた。
そのルート上で派生するように、人類は地域ごとに拡散した。
この人類の祖先の旅路をグレート・ジャーニーと呼ぶ。

人類はなぜ、どこから、どうやってやって現在の地に辿り着いたのか。
古代人に想いを馳せながらその軌跡を追うため、近代的動力に頼らず腕力・脚力だけで逆ルート(南米始点)を旅した。

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・古代と現代の環境(地形)の違い
約1万5千年前、地球の表面温度は低く、また海には氷河が潤沢にあったため、海面は100m程度低かった。
つまり、海抜100m以内の海は陸続きであったため、現在よりも陸面積が広かったと考えられている。
ex)宗谷海峡(※1)
ベーリング海峡(※2)

 

・グレート・ジャーニー = 布を織る行為
約10年かけて、2002年2月10日にゴールしたグレート・ジャーニー。
原始人の化石や、独自の文化を築いている民族、国という概念が存在しない流浪の民。
想像を絶する寒さの氷点下40度、針のように刺す砂嵐の砂漠、風で皮膚が火傷する程の灼熱の大地、標高5000mの山越え。
人々の温かさに触れながら、原始の地球を旅する12000キロの道は、「布を織るような気持ちであった」と語る。

「縦糸」=移動(旅路)
「横糸」=文化・環境の人に触れること
「布」=気づき

異なる文化の人々に出会ったことによって、
a. 自身が考える「あたりまえ」が「あたりまえ」ではないということを理解する
b. 新しいものの見方、考え方を発見する
以上の2点に関して気づくことが「布」なのである。

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・人間の進化について
人間は猿の仲間であり、非常に似ているDNAである。
しかし、決定的に異なる点は、大陸間を跨ぐような広範囲に移動しないこと。
では、なぜ古代人は広範囲に移動したのか。
a. 動物を追いかける必然性
b. 「山の向こうには何がある?」という好奇心
c. 豊かな地を求める向上心

では、最終到達点のパタゴニア(※3)の人々が最も向上心・好奇心があると言えるのだろうか?
→パタゴニアの島の一つであるナバリノ島(※4)にも人間が暮らしているが、動物はいなかった。
よって、この仮説は否定される。

 

・原住民族に見る弱者の歴史
ex)ヤマナ族 - パタゴニア
彼らは自分たちを「ヒト」と呼ぶ。
植民地支配などの影響で近年絶滅の危機にあるヤマナ族だが、現在、純粋血統は80代半ばの老婆のみとなった。

ex)モン族 - ラオス
古くから、東南アジア地域に住む。
ベトナム戦争時、ラオスはベトナムの補給ルートだったためモン族が分断されてしまい、それぞれCIA(※5)と北ベトナムに支配された。
武力を持たない弱い民族の悲しい運命である。

ex)渡来人 - 日本
渡来人は、なぜ、大陸から危険な海を渡って日本列島にやってきたのか。
日本人が農耕民族だった歴史を見ればわかるように、彼らは稲作道具を持って渡ってきた。
仮説だが、中国大陸ではまさに春秋戦国時代であったことを考えると、彼らは戦争から逃亡するために渡ってきたとと考えることができる。

1. 弱者が文明社会から追放される
2. 大部分が全く異なる環境に対応できずに滅ぶ
3. 生き残った少数が新しい文明を築く
4. 人口を増やす
5. 再び弱者が新しい文明社会から追放される

追放した人間よりも強くなる現象(たとえば、日本はアジアを制覇しようとし、イギリスは世界を制覇しようとした)がある一方で、弱者のまま消滅する現象(たとえば、ヤマナ族)も起きている。
人間は1~5を繰り返してきたのではないだろうか。

 

・人類の歴史
人類は少なくとも約700万年前には発生し、新人類は約20万年前に発生した。
最初に発生した二足歩行動物の猿人は、サバンナや草原周辺の洞窟などで骨が発見されたことから、比較的安全だった森で生まれたと考えられる。

人間と動物の能力を比較すると、いかに弱い存在であるのかがわかる。
動物に致命傷を与えるほどの爪は持っていないし、牙もない。
鱗のように発達した皮膚ではなく、羽や毒も持ってない。
腕力で言えば、鍛えていれば握力100kg前後だが、チンパンジーは300kg、ゴリラに至ってはは500kgもある。
脚力で言えば、走るスピードで勝る哺乳類はいない。
前述のような弱者の循環や、発見された猿人の頭蓋骨に牙の痕跡があったことを考えると、やはり弱者として森から追い出された動物なのかもしれない。

ゴリラは4年に一度、チンパンジーは5年に一度、出産することができる。
出産回数が少ない理由は、天敵がおらず、食料を食べ尽くしてしまう恐れがあるからである。
通常ならば天敵がいない生物は滅びの一途を辿るのだが、それを抑える役割を果たしているのが病気である。

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・なぜ人間は生き残れたのか
人間の乳児は、母親やそれにあたる保護者を呼ぶために泣く。これは、人間の「共同保育」という性質のためである。
チンパンジーやゴリラに比べて人間は多産であることから、サバンナでは人間は多産することが生き残る方法であった。
また、アファール猿人の足跡化石(※6)から、複数のコミュニティとの連携によって生き残ってきたと予想できる。
複数の子供を生かすために、物を運んだり、子供の面倒を見たりして協力したのが男の存在であったのではないか。

 

・生き残るための能力「二足歩行」
二足歩行の利点はいくつかあるが大きく3つのことが考えられる。
a. 相手よりも体を大きくみせる(急所を高い位置に持ってくる)
肉食獣は自分よりも弱い動物を狙うため、背が高くなれば生き残る確率が高くなる。

b. 二本の腕が自由になる
ものを運ぶことができるため、共生関係(コミュニティ単位で支えあって)で生きていく人間にとっては大きな利点である。
動物の食べ残しをコミュニティに持ち帰って山分けにすれば、コミュニティ内の喧嘩も起きず、生存確率を高めることができるのだ。
動物も道具を使って餌をとることがあるが、人間は道具を使ってより精巧な道具を作ることができる。

c. 声帯が広がり、声が出せるようになった
身体能力ではあらゆる点で劣る人類だが、声が出せるようになることによって、コミュニケーションをとることができた。
だから、ネアンデルタール人(※7)のような強大な敵が現れたとしても、狩りをするにしても、作戦を立てて対処できたのだった。

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・脳の進化
人間の脳が猿よりも大きく発達した進化のプロセス。
「ルーシー(※8)」というアウストラロピテクスの化石により、人類の構造は二つの系統にわかれたことがわかった。
すなわち、顎の筋肉が発達した人類か否か。
前者は、あらゆるものを噛み砕くことができるので、食料を手に入れやすい。しかし、容易であるがゆえに手に届く範囲のもの(根菜類など)ばかりを食べ続けていたため、栄養が足りずに生き残れなかった。
後者は、食料を手に入れることが困難なため、道具やコミュニケーションなどを工夫して駆使する必要があった。そのため、木の実や昆虫など、栄養の高い物を食べることができ、生き残った。

人間の脳は1300g程度で、栄養は総摂取量の1/5を必要とする。
つまり、多くの栄養は脳に費やされるのである。
人間は体の発達よりも脳の発達を優先し、その優先度は生きている限り変わらない。

こうして、人類は身体能力ではなく脳の進化を選び、脳が巨大化していった。

 

・生存競争はどのようにして行われきたのか
生物が生き残ることができたのは、生存をかけた争いではなく、適応力のおかげである。

恐竜が栄えた太古の時代。
昆虫のように蜜別関係にない恐竜はとにかく一帯の植物を食べ尽くし、食料を求めて南下した。
その過程で、ユカタン半島の隕石(時速70000km)の直撃し、大爆発によってガスが立ち込め、太陽光線が差し込まなくなった。
当然、植物は育たなくなり、草食動物が、次いで肉食動物が絶滅し、多くの生物が淘汰された。

その後、恐竜時代には小さなネズミのような動物だったものが、森にて進化を遂げて猿が生また。
猿は物を掴めるように親指を切り離し(退行)、滑り止めのために指紋をつけた。
また、肩(動物でいうところの前足の付け根の関節)を360度回せるようにし、木登りによって中臀筋が発達させ、二足歩行が可能になるように進化した。

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・生物のデザイン的進化
ビッグファイブ(※9)を生き延びてきたのが、現在の生物である。
これらは大きく外骨格(※10)と、内骨格(※11)2つのデザインに分かれる。

外骨格は外敵から身を守るために特化しており、鎧の役割をしている。
しかし、脱皮をしなければ成長できない、脱皮時に無防備な状態が一定期間必要、大きさの限度が決まっているなどの欠点がある。
内骨格は攻守両方の側面で柔軟に対応できるような構造をしている。
完全に防御できない代わりに、脱皮の必要がなく、大きく成長することができる。

生物は基本的なデザインを6億年前に決め、そのデザインの有効性を体現してきた。
絶滅と進化を繰り返し、弱さを乗り越えて奇跡的に生き残っているのが私たち人間である。
今でこそ大陸が分裂しているが、2000万年前は北欧も、アフリカも全て同じ大陸だった。
人類が生き残りをかけて平等に得たさまざまなデザインを考えれば、現代社会で、人間が定めた地位や身分が何の意味も持たないのは明らかである。

この忙しない現代で、当たり前のことに気づく機会は少なくなっている。
しかし、風邪を引けば健康に感謝する、作物が育たなければ雨に感謝する。
ほんの少し立ち止まって身の回りに目を向け、当たり前のことに気づくことで、新しいデザインは生まれ進化していくのではないだろうか。

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<注釈>
※1 宗谷海峡…サハリンと北海道間
※2 ベーリング海峡…シベリアとアラスカ間
※3 パタゴニア…南米最南端地域の総称。アルゼンチンとチリの両国にまたがり、フィヨルド地域の無数の島群を含む。
※4 ナバリノ島…チリに属するパタゴニアの島。かつてはヤマナ族が暮らしていたが、植民地支配の影響により、純粋血統の絶滅の危機にある。
※5 CIA…諜報活動を基本とするアメリカの情報機関で、中央情報局(Central Intelligence Agency)と呼ばれている。
※6 アファール猿人の足跡化石…アファール猿人とは、約360万年前の人類(アウストラロピテクス)。男性、女性、子供と異なるサイズの足跡化石がタンザニアで発見されたため、この頃では既に家族のようなコミュニティを作っていたのではないかと考えられている。
※7 ネアンデルタール人…旧人。体が大きく、脳も大きい。アフリカから中東・ヨーロッパに渡ったため、アフリカ以外の地で混血が生まれ栄えた。そのため、アフリカ人にはネアンデルタール人の混血はいないと考えられている。
※8 ルーシー…エチオピアで発見されたアウストラロピテクスの化石人骨である。この発見で、脳や二足歩行の進化の研究が進んだ。
※9 ビッグファイブ…地球が幾度かの絶滅期を迎える中で、特に大きな5回の絶滅イベント。定説とされているのは、オルビドス紀のガンマ線バースト、デボン紀の寒冷化による海洋無酸素事変、ベルム紀のスーパープルームによる火山活動、三畳紀の巨大隕石衝突、白亜紀の巨大隕石衝突。
※10 外骨格…体の外側に皮膚に付随するように形成される骨格構造。古代ではアンモナイトやアノマロカリス、カニや昆虫など。
※11 内骨格…体の内側に骨格を形成し筋肉で覆う骨格構造。古代ではピカイア、ミロクンミンギア、魚類や哺乳類など。

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